震災ショックによる割安感で日本株の関心高まる

世界経済は、本年後半から本格的な減速局面に入り、グローバル・リセッション(世界規模の景気後退)の懸念が高まろう。一方、わが国経済は、震災からの復興特需に沸き、急激な拡大局面を迎えることになる。この組み合わせは、逆説的に、わが国がバブル経済期に経験したような大幅な円安局面を、外国為替市場にもたらす公算が高い。ドル円相場は2012年に向けて100円超を目指す展開が予想される

震災ショックによる割安感で日本株の関心高まる

2011年春先までは回復基調と見られていた日本株だが、震災ショックにより、日経平均株価は3月11日の1万254円から3月15日には8605円まで急落した。その後は、売られすぎとの見方からすぐに9000円台に回復。当初は復興需要による成長を見込んで早期に1万円台に至るとの見方もあったが、被害の甚大さや原発リスクの問題などから、6月末頃まで出来高はふるわず、低迷が続いていた。

 

さらに日本株の上昇に欠かせない米国景気の雲行きがあやしくなり、中国景気もインフレやバブル懸念などから成長にブレーキがかかり始めている。好調な世界経済の恩恵を受けて日本も成長できるというシナリオが薄らいできた。

 

日本国内では日本株に対して悲観的なムードが漂っている。しかし、意外にも海外投資家は今、関心を持って日本株の推移を見守っているという。「震災前には一部の海外投資家は日本株バッシング(批判)どころか日本株バッシング(素通り)に傾き、日本株のポジションをゼ口にするところすらあった。ところが皮肉なことに震災が起きたことで割安になったことから、ポジティブに見ているわけではないが海外勢が日本株に関心を向けるようになっている」

 

震災後に欧州、米国の投資家数十人と面談した。欧米の投資家は日本株をどのように見ているのか。「震災ショック直後は割安になったと判断し、投資に動いたところもあったが、@政治A業績B原発の3点の懸念があることからlその後は様子見を決め込んでいる。とくに業績については2つの大きな問題が存在している。1つは夏場の電力不足問題。もう1つはサプライチェーンの崩壊問題。いずれも深刻化し日本企業の業績を大きく悪化させる要因と見ていた。しかし、日本の節電技術の高さにより思ったより電力不足による影響が軽微になりそうなこと、サプライチェーンが想定以上に早期に回復していることから、日本株の見直しを行う海外投資家が増えている」

 

電力不足による影響は7〜9月期の業績を見てみないとわからないが、海外投資家はそこでの結果次第で、見直し買いをすべきか否かを判断するところが大勢だという。